バレエをしていると
- レッスン後、前ももだけがやたらと疲れる
- プリエをすると前ももがパンパンになる
- 脚を上げると詰まって止まる
そんな悩みありませんか?
実はこの原因、前ももを使いすぎているからではなく、
本来働くべき「大腰筋」が使えていないからかもしれません。
このコラムでは、
- そもそも大腰筋とは何か
- 前ももが張る理由
- 大腰筋のトレーニング
について深掘りしていきます。
そもそも大腰筋とは

起始
・浅層:第12胸椎〜第1〜4腰椎の椎体・椎間板側面
・深層:第1〜5腰椎の肋骨突起
停止
・大腿骨小転子
作用
・股関節の屈曲・外旋
・体幹の屈曲
起始
・浅層:第12胸椎〜第1〜4腰椎の椎体・椎間板側面
・深層:第1〜5腰椎の肋骨突起
停止
・大腿骨小転子
作用
・股関節の屈曲・外旋
・体幹の屈曲
大腰筋は、腰の深い部分から太ももの骨へ伸びる上半身と下半身をつなぐ深層筋(インナーマッスル)です。
主な働きは股関節の屈曲(脚を上げること)です。
股関節の屈曲には
骨盤の後傾と腰椎の屈曲がわずかに伴うのが自然な動きです。
しかし大腰筋が働かないと、
- 腰が反る
- 股関節の付け根がつまる
- 前ももの筋肉が過剰に働く
という代償も発生しやすくなります。
またそれだけではなく、大腰筋には以下の働きもあります。
・腰部の側屈
・仙骨に対する下位腰椎の屈筋
・腰椎の垂直方向の安定装置
(筋骨格系のキネシオロジー)
つまりは
- 身体を横に倒す動き
- 腰の前から支えて反りすぎたり、丸まったりしないようにする
- 背骨をつぶさないように支える縦の柱
というわけです。
大腰筋が使えることで姿勢も安定し、腰の過剰な負担をかけないことにもつながります。
バレエでは、「引き上げ」「軸」「重心の安定」に深く関係している筋肉が大腰筋なのです。
前ももが張る理由
バレエでは、脚を上げたり体勢を整えたりする際に股関節を引き上げる力が必要になります。
しかし大腰筋がうまく使えていないと、その役割を前ももと腰の筋肉が代わりに担ってしまうことが多いです。
すると、
- 前ももに負担が集中する
- 腰が反りやすくなる
- 股関節の動きが詰まる
- 軸がブレる
といった状態が起きやすくなります。
前ももが張るということは、どこか他が頑張りすぎているサインなのです。
高く脚を上げるには大腰筋が欠かせない
大腰筋は股関節屈曲筋群の一つで、脚を上げる際の中心的な筋肉です。
特徴として:
• 大腿直筋は0〜30°で強く働くが、深屈曲では働きが弱まる
• 一方、腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)は角度が変わっても働きが安定している
(身体運動学)
大腰筋が働かないと何が起きる?
腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)の筋張力が低下すると、
身体は動きを補うために他の筋肉を過剰に働かせます。
研究では、
腸腰筋の筋張力が50%低下すると、
- 大腿筋膜張筋
- 縫工筋
- 長内転筋
などの活動量が200%に増加すると示されています。
(身体運動学)
これはつまり前もも・外もも・内ももが必要以上に頑張ってしまうということです。
結果、前ももの張り、付け根のつまり、腰の負担増加が起きやすくなります。
総合的な筋張力が増えることで、
関節への負荷も大きくなり、炎症や痛みにもつながりやすいのです。
大腰筋が働くことで前ももの張りが抑えられ、また軸の安定につながることをお伝えしました。
そんな大事な大腰筋をどのように鍛えていくか次で解説していきます。
大腰筋を使えるようにするためのトレーニング
①仰向け


悪い例

②座位


悪い例

●まとめ
大腰筋が使えるようになると、バレエの動きでも引き上げ・軸・脚の軽さが向上します。
その結果、前ももに頼りすぎることが減り、前ももの張りが軽くなって、動きがしなやかに変わっていきます。
前ももが張りやすい方は、まず大腰筋を目覚めさせるところから始めてみてください。
身体の使い方が変わると、バレエの見え方もより美しくなっていきます。

執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome
帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業
鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者
私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。

